犬を多頭飼いするメリット・デメリット【2匹目を迎える準備】

犬を多頭飼いするメリット・デメリット【2匹目を迎える準備】 コラム

犬の多頭飼いは家が賑やかになったり、留守番させる時の寂しさを軽減できたりするなど、メリットが盛りだくさん。愛犬の飼育に慣れてきた頃「2匹目を飼いたい!」と思う方も多いでしょう。

しかし、家族ではない犬同士が一緒に暮らす以上、どうしても注意すべき点がいくつかあります。

今回は犬を多頭飼いするメリットやデメリット、多頭飼いを成功させるためのポイントについて解説します。

多頭飼いの後悔を防ぐためにも、ぜひ最後までご覧ください。

 

犬を多頭飼いするメリット

犬は社会性を持つ生き物であり、相性さえ良ければ様々な動物と仲良くなれます。しかし、それでも最高の友達と言えばやはり同じ犬になるでしょう。ここでは、犬をもう一匹飼う事で期待できるメリットについて解説します。

 

犬同士の社会性を身に着けられる

犬はもともと【犬社会】を構築する動物で、飼い主は群れのリーダーという認識を持つことが多いです。柔軟性も高く、犬や人間以外でも敵意が無ければ色々な動物と仲良くなりやすく、海外では馬や羊と一緒に暮らしている子も多いのだとか。

しかし、犬同士でしか分かり合えない事や、犬社会でのみ学べる物がある事も事実。色々な動物と仲良くできると言っても、同じ種族間で群れを構築したいというのは生物としてごく当たり前の欲求です。

 

運動不足の解消

YouTubeなどの動画サイトでは、ペット同士が仲良くじゃれあっている様子を撮影した動画が多く投稿されていますよね。犬同士の相性にもよりますが、仲の良い子たちだとじゃれあって遊ぶようになり、結果的に運動不足が解消される事もあります。また運動不足ではない子も、適度にストレスを発散する効果が期待できます。

チワワなどの小型犬は室内でも遊ぶためのスペースを確保しやすいため、他の子たちとの遊び場を作ってあげるのもいいですね。

 

二匹目以降はしつけが少し楽になる

兄弟がいる家庭を持つ人ならイメージしやすいかと思いますが、兄姉がいると弟妹はその人たちの行動を真似しながら社会性を学ぼうとします。犬の場合も同じで、先住犬のしつけが完了している場合、後からきた犬もトイレの方法などを真似して覚えてくれます。

トイレトレーニングや芸などは覚えさせるのも一苦労なので、二匹目以降のしつけが少し簡単になるというだけでも、負担はかなり軽減できます。ただし、後述する注意点でも解説しますが、しつけが完了していないと問題行動も真似するようになるため、先住犬のしつけは事前にしっかり終わらせておきましょう。

 

飼い主の癒しが増える

犬の多頭飼いは決して犬だけにメリットがあるものではありません。可愛い愛犬同士が仲良くじゃれあっている姿は、飼い主様にとって至高の癒しとなってくれる事でしょう。

ドッグランをはじめとするアジリティで楽しく運動できたり、ショッピングも頭数が増えた事で購入するグッズの選択肢が豊富になったりします。今までよりも更に充実したペットライフを送る事ができるでしょう。

 

犬を多頭飼いするデメリット

愛犬が増えれば、良い事も悪い事も二倍になります。悩みの種が出来た時にすぐ対処できるように、予め犬を多頭買いするデメリットについて知っておきましょう。

 

犬同士の相性

せっかく犬同士が仲良くする事を願って多頭飼いをしたとしても、犬同士の相性が悪ければケンカしてしまう事があります。犬からして見れば、まったく知らない子が自分の縄張りで暮らす事になったわけですから、相性が良くないと先住犬も良い気持ちではないでしょう。

もちろん、相性が悪かったからといって手放す選択肢はありません。つまり、相性次第では別々の部屋を用意したり、散歩も一匹ずつ連れ出す必要があります。単純に必要な飼育スペースや散歩にかかる時間が二倍になるため、十分な準備をしてから迎え入れるようにしましょう。

 

お金がかかる

多頭飼いはとにかくお金がかかります。ドックフードなどの食費や保険料など、一概には言えませんが単純に飼育費用が二倍になると考えていいでしょう。あまり考えたくはありませんが、一匹が感染症になった際にもう一匹にも感染する可能性もあります。そうなると、医療費もかなり高額になってしまいます。

また、意外と意識していないのがペットサロンやホテルなどの1匹ごとに料金がかかるサービスを利用する時。これらのサービスは、犬種やサイズが異なる事も多く、想定以上に予算がかさむ可能性が高いです。

 

一匹が問題を起こすと連鎖する

先の項目で【先住犬の真似をするからしつけが楽になる】と解説しましたが、これが悪い方向に働く事もあります。例えば、一匹が噛み付きや遠吠えといった問題行動をすると、もう一匹もそれを真似してしまうというケースです。

後から来た犬が悪意やストレスが原因ではなく、ただ先住犬の真似をしただけという認識なら、矯正も楽ではありません。先住犬への対応と同時に、後から来た犬へのしつけもこなさなくてはいけませんから。

 

騒音トラブルになる可能性がある

犬の多頭飼いには犬同士が仲良くじゃれあう事を期待している飼い主様も多いですが、それは逆に言えば騒音となる要素が増えたという事でもあります。生活リズムの都合上、深夜帯に騒ぐ事は少ないですが、早朝に騒ぐ可能性はあるため、住宅街での多頭飼いには注意が必要です。

また、物音だけでなくケンカをした際などは吠える声も騒音として見られます。たとえペット可の賃貸であっても、騒音トラブルは厳しく見られがちですので、防音対策は万全にしておく事をおすすめします。

 

犬の多頭飼いを成功させるポイント

犬の多頭飼いは決して簡単なことではありませんが、それでも新しい家族を増やす事は素晴らしい事です。ここでは、そんな多頭飼いを成功させるポイントについて解説していきます。

 

多頭飼いに適した環境を整える

多頭飼いにはそれに見合うだけの広いスペースの確保と、万が一騒いでしまった時の防音対策が必要です。特にスペースに関しては、二匹が遊んでいても怪我しない空間を用意するようにしましょう。

また、犬同士の相性が悪かった場合、別々の部屋で飼育する事も視野に入れなくてはいけません。もしそうなった時は、それぞれのためにケージやボールなどの飼育グッズを用意する必要もあります。

 

十分な予算と時間の確保

犬をもう一匹飼うという事は、養うべき命が一つ増えるという事です。食費や医療費、保険料など、日々の生活に必要なお金が今までよりも2倍以上になっても大丈夫な程度の予算は確保しておいた方がいいでしょう。

また、スキンシップにかける時間も確保しておきたいところです。新しく入ってきた子ばかりを構っていると、先住犬が嫉妬してケンカを始めてしまうかもしれません。犬同士が慣れてくると、散歩や触れ合いも一緒にできますが、それまでの間は双方どちらとの時間もしっかり取ってあげましょう。

 

先住犬を優先させる

いくら新しい家族と言っても、社会性を持つ犬にとっては新米犬である事に変わりありません。新米犬にしっかり先住犬との上下関係を認識させるためにも、基本的に先住犬を優先させるようにしましょう。

具体的には、

  • 食事は先住犬からお皿に盛り付ける
  • スキンシップは先住犬から
  • 散歩の際にリードを先住犬から付ける

といった具合です。あらゆる出来事において、二匹の犬が関わっているのなら全て先住犬を優先させてください。

 

年齢差を考慮する

犬を多頭飼いする場合は、5〜8歳差程度にするのがおすすめです。なぜならシニア犬でも、無理なく後輩犬と過ごすことが出来る年齢差と言われているからです。

一方で年齢差がないと、しつけに差が出る恐れがあります。飼い主さんにかかる負担が多くなってしまうので注意しましょう。

なお二匹目の犬を迎えるタイミングは、性格が確立した3歳〜5歳くらいの年齢が理想的です。

 

犬の多頭飼いはしっかりとした準備の上でしよう!

犬の多頭飼いはしっかりとした準備の上でしよう!

可愛い愛犬に囲まれた生活は、考えるだけで胸が踊ります。しかし、感情ある生き物を二匹飼育するのなら、それぞれの子にあった飼育をしなくてはいけません。そのためには、費用や時間などを確保しておく事が必要不可欠です。

また、しっかりとした準備をしていたとしても、結局のところ相性がどれだけ良いのかに全てがかかっています。仲良くなってくれるのならそれに越したことはありませんが、相性が悪い場合も覚悟した上で飼育を検討してみてくださいね。