ペットブーム以降、日々の生活に癒しを求めて犬を飼う人たちが増えています。しかし「犬を飼う前に戻りたい」「犬を飼うのに向いていない」など身勝手な理由から、犬を手放してしまう人がいるのもまた事実です。
これから犬を迎える前に、改めて犬を飼う覚悟や注意点について確認しておきましょう。
犬を飼う前に知っておくべき必要な覚悟
犬は物言わぬぬいぐるみでも、人の言葉を発する人間でもありません。私たちとは違う生き物を飼育するという事は、それだけ飼い主に求められる事も多くなります。
まずは犬を飼う前に知っておくべき必要な覚悟を、見ていきましょう。
犬を飼うなら最後まで面倒見る
犬のみに限らずペット全体に対して言える事ですが、動物を飼うのなら【亡くなるまで面倒を見る】のが鉄則です。犬の平均寿命は12歳~15歳と言われているので、最低でもそれ位の期間は犬を飼育する事になります。その期間中は引越しや出張、仕事上でのトラブルがあったとしても、基本的にペットを手放すという選択肢は持たないでください。
現代において、ペットを手放すという事は社会的な問題になっています。運よく里親を見つけたり、民間の保護団体に保護されない場合、殺処分される可能性が高いためです。実際に環境省によると、年間約4000頭もの犬が殺処分されています。飼い主になったその日から、この問題と無関係ではいられなくなります。
犬を飼うなら最後まで、面倒を見る覚悟を持ちましょう。
犬のトラブルは飼い主の責任
犬は可愛い生き物ですが、本来はオオカミを祖先とする動物です。鋭い牙と高い俊敏性は人や物を傷つける事くらい簡単にできてしまいます。実際に犬に怪我をさせられた、車など高価な物を壊されたというようなトラブルも多く、中には裁判にて損害賠償を請求されるにまで至ったケースもあります。
民法718条では『動物の占有者は、その動物が他人に危害を加えた場合、その損害に対する賠償責任を負う』と定められており、飼い主の不注意でトラブルになった際はほぼ必ず損害賠償を支払う事になるでしょう。
飼い主になるからには、犬の起こすトラブルに対して責任を負わなければなりません。
犬のしつけは飼い主としての義務
前項でお話したように、犬のトラブルは飼い主の責任です。では、そもそもそんなトラブルを起こさないようにするためには、どのような事をしたらいいのでしょうか。それは正しい知識で愛犬の【しつけ】をしていく事です。
後の項目でも詳しく解説しますが、正しい知識とはすなわち、甘やかしすぎず、厳しすぎず、愛犬のためになるしつけのための知識の事を指します。しつけはしばしば虐待に繋がってしまったり、効果が見込めない方法でしつけを行ってしまうケースが出てきます。
犬のしつけは飼い主として当然の事、しかしそれだけでは足りません。正しい知識で愛犬の快適な生活をサポートしていきましょう。
犬を飼う前に知っておきたい3つの注意点
犬を飼い始めると、良くも悪くも今までの生活が一変します。楽しい事や嬉しい事も増えますが、飼い主だからこそ気にしなくてはいけない事も多々あります。
犬を飼う前に知っておきたい注意点について見ていきましょう。
自分だけの家ではなくなります
犬を飼った瞬間から、飼い主様の家は犬の家でもあります。一人暮らしの方はもちろん、ご家族で住んでいる場合も同じことが言えますね。これからは犬の飼育に適した環境と、あらゆる怪我を想定した対策が必要になってきます。犬のためにスペースを空けたり、いたずらをしないように家具をどける……つまりレイアウトの変更をする事も多いです。
また部屋が汚れる事も覚悟しておいた方がいいです。おしっこの失敗でフローリングにシミができたり、ダブルコートの犬なら被毛が辺り一面に落ちたりするでしょう。
犬のために環境を変えたり、毎日細かな掃除が必要になる事は覚えておきたいですね。
ご近所への配慮が必要です
犬が何かトラブルを起こした際、与える影響は飼い主様だけではありません。近隣の人たちにも迷惑がかかり、そこから住民とのトラブルまで発生してしまいます。そうならないように、ご近所に対してしっかり配慮する事が大切です。では具体的にどのような配慮が必要かというと、大まかに『散歩中の配慮』『室内での配慮』の2つの配慮が重要になってきます
◎散歩中の配慮 糞便の後片付けをしっかりする、人とすれ違う時はリードを短く持つ、犬から目を離さない事を指します。
◎室内での配慮 吠えた時に窓を閉める、トイレは綺麗にする、夜泣きの対策などの騒音と悪臭に対する配慮の事を指します。
これら2つの配慮を忘れず、自分にとっても周囲にとっても心地良い環境を作っていきましょう。
犬を飼うとできなくなることが増えます
今までゲームやテレビなど、自分のための時間は自分のためだけに使えていた人も、これからは犬のためにその時間を使う事になります。ざっと見積もるだけでも『犬の散歩30分~1時間を1日2回』『食事の開始時間は一定にする』『スキンシップの時間は犬の気分次第』など、犬のために多くの時間を使わなければいけません。
散歩のために早起きしたり、食事時間のために仕事帰りに飲みにいけなくなったりするなど、生活そのものを変えていく必要があります。この時間を、犬が天寿を全うするまで確保し続けるのです。
『犬を飼う=自分のできなくなることが増える』ということを覚えておきましょう。
犬を飼う前に準備しておきたいもの
犬を飼育するための心構えが出来たところで、お次は本格的に犬をペットショップで購入する前に、準備しておきたいものについて見ていきましょう。
犬を飼うのに十分な飼育環境
犬を飼うなら、犬が生活に不便を感じないようにするためのグッズを買い揃えておきましょう。犬を飼った後でも大丈夫ですが、犬が早く家に慣れるためにもなるべく飼う前の段階で揃えておきたいですね。
具体的には『ケージ又はサークル』『ペットマット』『トイレ』『ベッド』『ドッグフード』『リード』『クレート』はほぼ必須です。これらは生活に直結するため、絶対に購入しておきましょう。
他には『シャンプー剤』『爪切りや歯ブラシ』『おもちゃ』なども早い段階で買い揃えておきたいところ。特にシャンプーや歯ブラシなどは、子犬を飼うのであればあらかじめ準備しておきましょう。また、犬自身の話ではないですが、犬の独特なニオイを軽減するために消臭剤も購入しておくと、ご近所トラブルを防げます。
犬を飼うために必要なお金
実は犬の飼育費用自体は決して高額ではありません。ペットフード代や日用品などを合わせても、おそらく月々1万~2万円程度でしょう。しかしそれ以上に考慮しなければならないのが病気や怪我などによる『急な出費』です。
もちろん病気や怪我の種類によりますが、例えば犬に多い白内障の場合は大体20万~30万円ほどかかると言われていますし、骨折など重度の怪我も30万円ほどはかかります。通院が必要なら、その都度お金が必要になってくるでしょう。
ペット保険に加入する、普段からペット用の貯金をしておくなど、急にお金が必要になってもすぐに支払えるだけの準備はしておいた方が安心です。特にペット保険は、犬の平均寿命が延びている事を考慮すると、早い段階から加入しておく事をおすすめします。
素敵なペットライフの第一歩を踏み出そう!
ペットと言えば「犬」というほど人気ですが、一方でかかる費用や時間も大きいです。お魚や昆虫と違って病気や怪我といったリスクもありますし、スキンシップのために自分の時間を割く事にもなります。
しかし、それでも犬が日々の生活に癒しを与えてくれるのも事実。しっかりとした前準備を行って、素敵なペットライフの第一歩を踏み出しましょう!