犬や猫の飼い主なら、誰だってペットに美味しいご飯を与えたいと思いますよね?
しかし、人間にとって美味しい食べ物が、必ずしも動物にとって美味しいとは限りません。好みの問題はもちろん、身体に害を及ぼす危険な食べ物もあります。
そこで今回は犬や猫にとっては害になる、人間の中ではメジャーな食べ物について紹介していきます。
なぜ人間の食べ物を犬や猫にあげてはいけないのか
いくらペットは家族だと言っても、生物としての分類が違う以上、私達とペットが同じ食べ物を食べれるとは限りません。
驚くかもしれませんが、私達が普段口にしている食べ物の中にも、実は毒になってしまう成分が含まれているのです。例えば、後述するネギ類に含まれる成分は、人間も多量に摂取すれば中毒となってしまいます。
人間と犬や猫では身体の構造も大きさも、何もかも違うのです。更に細かく言えば、私達は雑食なのに対して、犬や猫は肉食の動物という違いがあります。私達は色々な食べ物から栄養を摂取しなければいけないから、ある程度の毒に耐性を持っているのです。逆に、犬や猫は肉食であるが故にそういった耐性が無くとも、獲物のすべてを食べれば生きていける身体です。
私達が動物用のフードを美味しいと感じないように、私達が美味しいと思える物が、必ずしも犬や猫にとって美味しい物だとは限りません。
犬や猫が食べてはいけない人間の食べ物
人間と犬や猫の違いについて知ったところで、いよいよ食べてはいけない物について見ていきます。
人間用に作られたおやつはもちろん、中には自然界に普通にある物もあるためぜひ、覚えておきましょう。
チョコレートのようなカカオを含む食べ物
チョコレートやココアには欠かせないカカオ。カカオにはテオブロミンという化合物が含まれており、リラックス効果や利尿作用があると言われています。
犬や猫はテオブロミンの代謝速度が人間と比べて遅く、少量でも食べると脱水症状や心拍数の増加などの中毒症状を引き起こす可能性があります。特に小型犬や子猫などの小さい動物の場合、40グラム程度の僅かな量でも中毒になりやすく、死に至ることもあるため絶対に食べさせてはいけません。
主な中毒症状として、摂取してから1時間くらいで興奮状態になります。その後2~4時間程度で嘔吐や下痢、呼吸の乱れなどの症状が出始め、最悪の場合全身痙攣などで死に至ります。
ネギ類
犬や猫に玉ねぎを食べさせてはいけないというのは皆さんご存知の通りかと思いますが、実は少しだけ語弊があります。実際は玉ねぎだけでなく、長ネギやにんにく、ニラなどの全てのネギ類が危険なのです。
ネギ類に含まれる有機チオ硫酸化合物は赤血球の中にあるヘモグロビンを酸化させる事で赤血球を破壊します。人間であっても大量に食べれば危険ですが、普通なら危なくなる事はありません。しかし、犬や猫の場合は少量であっても命に関わります。
有機チオ硫酸化合物の厄介な点は、火を通しても消失しないところ。にんにくを使った料理やオニオンスープなども絶対に食べさせないでください。
主な中毒症状として、嘔吐や下痢、貧血や血色尿などの赤血球の不足からくる症状が見られます。また、中毒の特徴として数日後に発症する事も多いため、食べても問題ないと勘違いしやすいので気をつけましょう。
生のエビ、カニ、イカ、貝類
有名なサザエさんの歌詞に『お魚くわえたドラ猫』という文があるように、お魚を食べる猫は珍しくありません。しかし、生のエビ、カニ、イカ、貝類などの魚介類や甲殻類は与えてはいけません。
これらに含まれるチアミナーゼという酵素はビタミンB1(チアミン)を分解するため、多量に摂取するとビタミンB1欠乏症になってしまいます。逆に過剰症を予防する事もできますが、そもそもビタミンB1はペットフードに適切な量が含まれており、過不足なく取れている栄養。食生活さえ整っていれば、過剰症にも欠乏症にもなりません。
ただし、チアミナーゼは酵素であるため熱によって失活します。どうしても食べさせたい場合はしっかりと熱処理をしてから与えましょう。
アルコールを含む飲料物
私達人間にもアルコールに弱い人や強い人がいますが、犬や猫の場合は【弱い子】しかいません。というのも、犬や猫の身体はアルコールをすぐに吸収する体質で、少しの量でも酩酊してしまうのです。加えて、彼らはアルコールを分解するための酵素も持っていないために長く残ってしまい、身体に様々な害をもたらします。
最近は新型コロナウイルスへの警戒もあって、アルコール消毒を家に置いているご家庭も多いかと思います。アルコール消毒は決して犬や猫に行わず、必要であれば動物病院で皮下注射をお願いしてください。皮膚だけでなく、舐めてしまったり飲んでしまう可能性も捨てきれないため、ご自身が消毒をする際も十分に気をつけましょう。
主なアルコール症状として、嘔吐や下痢、酩酊状態、呼吸異常といった症状が見られます。最悪の場合、昏睡状態になったり死亡に至る危険性もあります。
キシリトールを含む食べ物
砂糖よりもカロリーが少なく、甘みと清涼感が特徴の天然の甘味料であるキシリトール。ガムやアメなどといったお菓子から、虫歯予防効果があるため歯磨き粉にまで大活躍のキシリトールですが、犬にとっては猛毒となります。
キシリトールはインスリンの分泌を刺激し、低血糖症を引き起こします。また、同時に急性肝不全も見られ、最悪の場合は死に至ること可能性もあります。
症状として、食べてから数十分後に嘔吐や元気消失、運動失調などの症状が見られ、更にその後数時間後から2日程度の間に急性肝不全を引き起こします。
誤飲誤食を確認したらすぐに動物病院へ!
犬や猫にとって人間の食べ物は危険です。中には美味しかったり、栄養になる食べ物だってありますが、毒物を全て把握でもしない限りむやみに与えるのはやめた方が良いでしょう。身体のつくりが違う以上、私達と同じ食事をするわけにはいかないのです。
そもそも、現代のペットフードは栄養満点な上に嗜好に合わせた味付けがされています。それだけでは足りない場合はおやつもありますし、食生活で不満に思うことは少ないはずです。人によって好みが違うように、犬には犬の、猫には猫の好みと食事がある事を忘れないでください。
もし、誤って普段食べないような物を食べてしまった場合、確認した時点で早急に獣医師に診てもらいましょう。もし食べた直後は問題なくても、数時間後から数日かけて症状が出るものもあるため油断できません。