「家にいると気が付かないけど、外から帰ってきたら犬のニオイが強い……」なんてこと、犬を飼っている人なら一度は経験あるはず。特に梅雨などジメジメしている時期は、どうしても少し気になってしまいますよね。
では猫はどうでしょうか。「猫は無臭だって聞いていたのに、なんか臭う」ということ、ありませんか?もしかしたら、何らかの病気のサインかもしれません。
今回はそんな犬と猫のニオイの原因や対策方法について解説していきます。
ペットの体臭問題~犬編~
犬のニオイって好きな人はとことん好きですが、苦手な人も多いですよね。実は犬のニオイは、人間のニオイとは根本的なところからメカニズムが異なっています。犬の事をもっとよく理解するためにも、犬の体臭について知っていきましょう。
ここでは犬の体臭の原因や対策方法、ニオイから見る病気の可能性について解説します。
犬の体臭の原因
犬のニオイの原因のほとんどは汗からくる体臭であり、いわゆる【犬臭さ】と表現されます。「犬って汗はかかないんじゃないの?」と思われるかもしれません。確かに、犬は人間のようにサラサラとした汗を出すエクリン腺という汗腺は、肉球や鼻先にしかありません。
しかし、逆に人間には脇の下など一部しかないアポクリン腺と呼ばれる汗腺が全身にあり、これが脂質やタンパク質などニオイの原因になる成分を多く含んでいるのです。もともとはフェロモンの役割を果たしているらしく、犬にとっては異性にアピールするための重要なニオイなのだとか。
そのためむしろ犬は自分のニオイがないと不安になりやすく、過剰にシャンプーなどしてニオイを消してしまうとストレスの要因にもなってしまいます。病気などで悪臭がするならともかく、犬特有のニオイは飼い主が気にならない程度には残してあげましょう。
ただし、口臭が原因の場合は歯周病の可能性があります。毎日のデンタルケアと定期的な歯石除去は欠かさないようにしましょう。
犬の体臭対策
犬のニオイの原因によって対策は変わってきます。ここでは【体臭】【口臭】に分けて、それぞれに有効的な対策方法を解説します。
・体臭 体臭の原因は汗によるものですが、より具体的に言えば皮脂汚れです。シャンプーで皮脂を洗い流すのが一番効果的。ただし、先述したように過度なシャンプーは犬にとってストレスになってしまうため、月に1~2回程度にしておきましょう。また、ブルドックなどの顔にしわがある犬種はしわとしわの間も皮脂汚れが溜まっていくので、ここも念入りに拭きとってください。
・口臭 口臭の原因は歯のケア不足による歯垢や歯石が溜まっているため。犬は人間と比べて虫歯にはなりにくいのですが、歯垢が歯石に変わるまでがおよそ3日程度と早く、油断しているとあっという間に歯周病になってしまいます。毎日の歯磨きなどのデンタルケアと、年2回程度の歯石除去を忘れないようにしてください。
症状の一つに強いニオイがある病気
定期的にシャンプーやデンタルケアを行っていれば、犬のニオイはシャンプーと本来の体臭が合わさったようなニオイであり、個人差はあれど決して不快ではないです。しかし、ちゃんとケアしているのにも関わらずニオイが強い場合は何らかの病気を疑った方がいいかもしれません。ここでは【体臭】【口臭】【耳】【肛門】から強いニオイが出ている場合に警戒すべき病気について解説します。
・体臭 ケアをしているのに皮膚がベタベタしている場合は脂漏症(しろうしょう)と呼ばれる状態の可能性があります。皮膚のバリア機能が弱くなり、マラセチア皮膚炎などを招いてしまうため、動物病院で診査してもらいましょう。
・口臭 デンタルケアをしているのに口臭がする場合は、口内の乾燥や内臓に疾患がある可能性があります。特に便のような強烈な悪臭がある場合は、腸閉塞などの危険な病気を患っている事もあるため大変危険です。
・耳 本来、犬の耳はそこまで臭くありません。しかし、細菌感染や耳ダニなどの影響で外耳炎などの病気にかかった場合は、耳垢の異常と共に悪臭も発生します。この状態になってしまうと耳かきなどの自宅でできるケアだけではよくなりませんので、動物病院で耳の検査をしてもらいましょう。
・肛門 小型犬や肥満体型の犬はお尻の穴の内側にある肛門腺に分泌物が溜まってしまい、ニオイの原因になる事があります。分泌物が溜まってしまうと自分で排出できなくなるため、獣医師や飼い主が【肛門絞り】をしなければいけません。
ペットの体臭問題~猫編~
猫はほぼ無臭で、お日様の香りやシャンプーの香りをほのかに感じる程度が普通です。しかし、逆を言えば「猫が臭い」と感じることがあれば、そこには何らかの原因が潜んでいる可能性があります。
ここでは猫の体臭の原因や対策方法、考えられる病気について解説します。
猫の体臭の原因
猫は犬と違い、健康体であればほとんど無臭です。彼らは獲物を待ち伏せして一気に仕留める狩人ですから。肉球にはニオイの元となるアポクリン腺もありますが、こちらもグルーミング(毛を舐めてお掃除すること)しているなら気になるニオイにはなりません。
更に日向ぼっこもするため、被毛を適度に乾燥させて雑菌の繁殖を抑え、紫外線による消毒も行っています。正にきれい好きという言葉がピッタリですね。
ただ、逆に言えば病気やケガなどで定期的なグルーミングをできない状態の猫は、体臭が酷くなる事もあります。
猫の体臭対策
猫も犬と同様に、ニオイの原因によって対策が異なってきます。ここでは【体臭】と【口臭】に分けて解説します。
・体臭 先述したように、基本的にはグルーミングもするためシャンプーの頻度は犬ほど多くなくて大丈夫。大体2ヶ月に1回程度でいいとされています。特に長毛種は毛先にふん尿や油がついてしまうため、念入りに。ただし、老猫や肥満体型の猫は、自分でグルーミングしないため月に1回はシャンプーしてあげた方が良いでしょう。
・口臭 肉食である猫は、本来は肉を引きちぎり、あまり噛まずに飲み込むため歯が汚れる事は少ないです。しかし、飼い猫は細かく柔らかいキャットフードが主食になるため、ちゃんとしたデンタルケアが必要。歯垢から歯石になるペースも犬と同じく3日程度と早いため、毎日歯磨きしましょう。
症状の一つに強いニオイがある病気
猫自身はそこまで臭くありませんが、何らかの病気で【口臭】や【肛門】が臭ってしまうことがあります。ここではこの2つに考えられる原因について解説します。
・口臭 猫の口臭の原因は、キャットフードの食べかすから来ているものが多いです。特に水分量の多いウェットフードは歯に付着しやすいため、ウェットフードを与えているご家庭は要注意。毎日の歯磨きで食べかすをきれいに除去しましょう。また、猫風邪や口内炎などの病気でも口臭が発生します。体調がすぐれない、食欲がないなどの症状がある場合は動物病院で診察してもらってください。
・肛門 猫も犬と同じく肛門には肛門腺と呼ばれる分泌物を排出する腺があります。普通は排便時にこの分泌物も一緒になって出ていくのですが、肥満体型の猫や体調が悪い時などは出ていかずに溜まってしまいます。肛門腺絞りを行って分泌物を出してあげましょう。
犬や猫のニオイに注意しよう!
犬は異性へのアピールのためにニオイが強く、猫は狩りのためにニオイを抑えています。
ペットになった後もそれは変わりないため、【犬は犬臭い】【猫はほぼ無臭】というのが正常です。ただし、問題なのは【どんなニオイなのか】という点。
例えば犬は獣臭さではなく、便のような強いニオイだったり、口臭がキツイという場合は病気の可能性があります。ほぼ無臭の猫も、「いつもは臭わないのに今日は臭う」といった場合はケガや病気でグルーミングが出来ていないのかもしれません。
ただ臭いから消臭を……ではなく、どんなニオイなのか、どこから臭っているのかをハッキリさせることで病気を早い段階で見つけることができるでしょう。