ペットを飼う時、ペットショップで購入する他にも【保護された子を引き取る】という方法があります。昨今の殺処分の事情もあり、里親になりたいという人も増えてきていますが、肝心の引き取り方法についてはあまり知られていません。ペットは保健所や譲渡会でなくとも、引き取ることはできます。
今回は保護犬や保護猫の引き取り方法や、引き取るならぜひ意識してほしいことについて解説していきます。
保護犬や保護猫の引き取り方法
昔は一部のボランティア団体や保健所、愛護センターでしか譲渡は行われていませんでした。しかし現在は里親になりたい人が多くなってきたため、SNSや募集サイトなど、引き取り方法も多様化してきています。
ここでは保護された犬や猫をどうやって引き取れるのかについて解説します。
どこで引き取る事ができる?
保護犬や保護猫と聞くと、真っ先に保健所を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、昨今は里親になりたい人が急増したため、それ以外の場所でも引き取りを募集している事も多いです。現在は一般的に下記の場所で募集されています。
- 保健所
- 動物愛護センター
- NPO法人
- 地域のボランティア団体
- TwitterなどのSNSで募集
- 里親を募集しているサイト
基本的にはそれぞれの団体や施設が運営している公式サイトや譲渡会を通して申し込むことになるでしょう。また、引き取る際も事前に保護している所と連絡を取れば空輸や陸送、ブリーダー出張など、離れている場所への移送にも対応している事があります。
譲渡の条件や引き取り方法などのルールは団体や施設によって変わるため、予め確認しておくとスムーズに保護犬や保護猫を迎えられますよ。
引き取りには費用がかかる?
よく保護犬や保護猫はタダで引き取れると思っている方が多いのですが、厳密には少し違います。確かに犬や猫そのものにはお金がかかりませんが、【手術やワクチン等の医療費】や【マイクロチップ代】は里親が負担することになっています。特にボランティアで活動している団体は医療費の関係上、少し費用が高くなる傾向があります。
具体的な金額は団体や施設によって異なるため一概には言えませんが、【愛護センター:0円~10,000円前後】【ボランティア団体:10,000円~50,000円前後】であることが多いようです。ただし、手術費用によっては10万円を超える事もあります。
更にここからリードやゲージ等のアイテム、犬の場合は狂犬病ワクチン代など【飼うために必要な初期費用】も考慮しなくてはいけません。命を養う以上、お金には充分に余裕を持たせるよう意識しましょう。
引き取りの条件
保護犬や保護猫を引き取るには、いくつか条件が設けられていることがほとんど。何らかの事情があって団体や施設に預けられているわけですから、次の飼い主にはしっかり責任を持って育てて欲しいからです。条件は場所によってまちまちですが、概ね下記の条件が設けられています。
- *犬や猫にとって適している住所であること
- 引き取った犬や猫を最後まで養えるだけの経済力があること
- 里親が高齢の場合は、万が一の時に他に預け先があること
- 去勢・避妊手術など、不必要な繁殖を避けること
(*人込みやうるさいのが苦手な子の場合は、町の中心から離れた住所を指定されることがあります。)
他にも細かな条件はありますが、代表的なのはこの5つ。また、実際にあった時に里親と子の相性が悪いと判断された場合も引き取りを遠慮される事がありますが、これも【犬や猫をもう一度幸せにできる人】である事が最大の条件だからです。
悪徳団体には注意
ペットショップとボランティア団体、愛護センターには決定的な違いがあります。それは営利目的がどうか、すなわち【犬や猫が商品であるか否か】です。
ペットショップの場合は動物を商品として売り出し、飼い主となる人が購入することで利益を出しています。これに対して団体や施設は保護した犬や猫を引き取ってくれる里親を募集していますが、商品ではないため利益を出す事は禁止されています。
利益目的ではない医療費は別として譲渡費用そのものは無料であり、ペットショップで購入するのに比べて費用が安いのはこのため。譲渡費用として寄付金を要求される事もありますが、それも今後の活動にすべて使用されるため個人や団体の利益になることはありません。また、寄付は強制ではなく任意です。
しかし、中には利益を出そうと高額な譲渡費用を要求する団体もあります。もし「費用が高すぎる」と感じた場合は金額の内訳を聞き、自分が納得できないようであれば断りましょう。特に移動費や寄付金の強制請求は悪徳団体である可能性が高く、またフードの定期購入の勧誘も危険です。【ボランティア団体は利益を求めない】これを忘れないでください。
保護犬や保護猫を引き取るなら意識したいこと
保護された子の中には辛い過去を背負った子たちも多く、里親になるからには彼らをよく理解しなくてはいけません。
ここでは里親になるなら意識してほしいことについて解説します。
命を養う事を自覚する
ペットショップではなく、保護されている子を選ぶ以上は、硬い意志やポリシーを持ち合わせていることかと思います。「ペットが可哀そう」「殺処分される数を減らそう」そういう気持ちはとても素敵ですし、そうした思いが社会をより良くさせていくものだと信じています。しかし、だからこそ今一度命を養うという自覚を持つことが大切です。
そもそも保護されている犬や猫も、野良ではないのなら誰かに飼われていた元ペット達です。しかし、本来の飼い主も始めから捨てる気持ちで飼っていたわけではないと思いますし、やむを得ない事情があって手放したのかもしれません。【仕方がない】で済む問題ではありませんが、かと言って元飼い主の全てがペットを愛していなかったわけではないのも事実です。
そしてそのやむを得ない事情が、いつ誰に襲ってくるか分かりません。里親になるということは、どんな事情があったとしても決してペットを見捨てないという覚悟が必要なことなのです。
ペットとの時間を確保しよう
これは保護犬や保護猫だからという話ではありませんが、飼い主となるからには自分の時間の一部をペットとの生活に捧げることになります。ただ、ある程度ブリーダーに飼育されているペットショップと違い、保護された子たちの中には飼い主から少し離れただけで不安になってしまう子も多いです。そういった子を飼うなら、自分だけの時間はほぼ無くなると言っていいでしょう。
そうでなくともご飯や散歩、運動など気にかけなくてはいけないことは山ほどあります。忙しくて自分の時間が確保できない方や、普通の生活するだけで精一杯の方が保護犬や保護猫を引き取ることはおすすめできません。
普通のペットと保護の違い
保護された子であっても普通のペットと何ら変わりない……と言いたいですが、残念ながら全ての子がそうとは限りません。先の項目でもお話したように、保護犬や保護猫は何らかの事情があって預けられた子たちです。極端に人見知りな子や警戒心の強い子など、一緒に暮らしていくなら、その子達の長所だけでなく短所を受け入れていかなくてはいけません。
先ほど元飼い主の全てがペットを愛していなかったわけではないと書きましたが、それは同時に虐待されていた経験がある子もいるという事でもあります。他にも愛情の有無問わず多頭飼育崩壊を招いた家庭の子もいるでしょう。もしかしたら、過酷な環境を生きてきた野良かもしれませんね。
保護された子のほとんどは成犬や成猫であり、大なり小なり悲しい過去を背負って頑張っています。生まれ育った環境はその子自身の価値とは無関係ですが、それでも里親はその過去をも含めて育てていくものであることを忘れてはならないのです。
里親として保護犬や保護猫を迎える準備は大切
ペットショップで飼育されている動物と、保護された動物は【生きてきた環境】が異なります。飼い主から虐待を受けていた子や野良だったけど保護された子、やむを得ず預けられた子……。事情は色々ありますが、何不自由なく幸せに生きてきた子だけではないのは確かです。
里親として求められていることは、飼い主としてペットを愛せることだけではありません。経済的にも安定して、どんなことになっても決してペットを見捨てない覚悟も必要です。そのことを忘れないでいれば、きっと保護犬や保護猫をもう一度幸せにできますよ。