犬を飼育するなら必ずやっておきたい【しつけ】。しかし、近年しつけは虐待などのマイナスなイメージを持たれやすく、飼い主の中でも「本当にしつけは必要なのだろうか?」という意見が出ています。
そこで今回は、犬にしつけをしないと起こりうる問題やどんなしつけをしたら良いのかについて解説していきます。
犬にしつけをしないとどうなるの?
しつけは程度を間違えなければ犬を守り、人を守る事に繋がります。では、しつけをしなかった犬にはどんな危険が降りかかるのでしょうか。
ここでは犬にしつけをしないとどうなるのかについて見ていきましょう。
事故や怪我に繋がる
犬にしつけをする第一の目的は犬を危険から守る事です。
例えば、散歩中に突然車道に向かって走り出したら危険ですよね?そうならないように、犬に【散歩中はむやみに走らない】【飼い主が止まれと言ったら止まる】などのしつけをする必要があります。
また、危ない場所に近づけさせないようにするのもしつけです。ガラスが飛び散っている場所だったり、こまかなトゲがあるような場所でも、好奇心の強い犬は構わず歩く事があります。
足の怪我は飼い主も気づきにくく、そのまま放置すると化膿して病気になってしまうこともあります。
しつけはそんな危険から犬を遠ざけるために行うものなのです。
問題行動を起こしてしまう
しつけをしておかないと、犬は何がいけない事なのか分からない……つまり【NG行動】の判断が出来ません。
少しでも嫌なことがあると吠えだし、飼い主の気を引きたいがために部屋中を荒らしまわる事だってあるでしょう。
散歩などで頻繁に外出する犬にとって、問題行動は致命的ですよね。
人間社会に生きている以上、たとえ犬でも人間のルールを覚えて守るべき場面は必ず訪れます。しつけは人間社会ではやっていけないNG行動を犬に教える貴重な機会なのです。
ストレスを抱える事も
しつけには【NG行動】を教えるだけでなく、【ストレスに強くする】というものもあります。
お留守番訓練やトイレトレーニングなども、立派なしつけの一つなのですね。では、仮にこのようなしつけをしていないとどうなるのでしょう?
結論を言えば【ストレスに弱い犬になる】です。
お留守番に慣れないと分離不安になったり、トイレトレーニングが出来ていないと不衛生な環境になりストレスの原因に発展します。愛犬にストレスを溜め込ませないのも、しつけの大切な役割の一つです。
人に危害を加える可能性がある
ペットとして非常に大人気な犬ですが、その牙は肉食動物として申し分ないほど強力です。
しつけの出来ていない犬は凶暴性を発露させる事も多く、見ず知らずの他人を傷つけてしまう事もあります。
ペットを飼育する以上、他人に迷惑をかける事は決して許されません。
しつけには自分の精神を落ち着かせたり、むやみに力を振るわないようにする役割もあります。
上手に教育して、理性的で賢い愛犬にしてあげましょう。
犬にどんなしつけをするべきか
しつけには具体的なものがいくつかありますが、特に重要なのは【犬や周りに悪影響を及ぼす可能性が大きいもの】です。
ここでは、基礎であるアイコンタクトと、子犬の時から学習させたい3つのしつけについて見ていきます。
アイコンタクト
相手と自分の目と目を合わせるアイコンタクトは、しつけの基本中の基本となるものです。
厳密にはアイコンタクトそのものが目的ではなく、【犬の意識を自分に向けさせる】ための手段として用いる事になります。訓練すればどんな状況であっても飼い主に注目してくれるようになるので、その後のしつけがとてもスムーズに行えますよ。
更にアイコンタクトが出来るようになれば、犬が緊張している時や興奮している時でも飼い主に意識を向けさせて落ち着かせる事も可能です。
トイレトレーニング
しつけの代表格と言ってもいいトイレトレーニング。子犬の間は少量でも、成犬になればご想像の通りに……。
部屋のあちこちで粗相をされると不衛生ですし、その度に掃除と除菌、臭い対策をしなければなりません。
それに犬自身もちゃんとしたトイレの場所を理解できないと、ずっと粗相を繰り返してしまいます。
トイレトレーニングのコツは【落ち着く場所に設置する】【粗相をしても怒らない】の2つ。
特に粗相の失敗について怒ってしまうと、おしっこ=悪い事と認識して隠れておしっこするようになってしまいます。トレーニング中に粗相をしても、怒らずに淡々と掃除しましょう。
人に触れられるのに慣らせる
部屋の中はともかく、外出中は人と接触する可能性があります。
誰かとコミュニケーションを取っているうちに、その人が飼い犬を撫でるような事もあるでしょう。
そんな時に飼い主以外の人に触れられるのに慣れていないと、つい噛みついてしまうかもしれません。
家を守る番犬ならともかく、普通のペットとして飼育するなら人に慣れる訓練をしておいた方が良いでしょう。
今現在の行動を止めさせる
少々曖昧な言い方になってしまいましたが、これは要するに【食べる】【移動する】といった動作を中止させたい時に素直に言う事を聞いてくれるようにする事を目的としたしつけです。
そういった意味では、アイコンタクトの目的に近いですね。
なぜこのようなしつけをするかと言うと、危険な物に近づいたり誤飲してしまうのを避けるため。特に誤飲防止は喉を詰まらせたり、毒性のある物を食べて中毒になるリスクを回避する役割があるため重要度も高めです。
犬のしつけをする際に心がける事
しつけは虐待ではなく、ちゃんとした教育です。
しかし、教育だからこそ【スキンシップの一環】と【しつけ】の境界線はハッキリしておく必要があります。ここでは、しつけをするなら心がけてほしい事について見ていきます。
うまく出来たらご褒美を
しつけはうまく出来たらご褒美をあげるか、最低でも褒める事が必須です。
そもそもしつけで教える事のほとんどが人間の生活では当たり前でも、犬にとっては当たり前ではありません。ご褒美をあげる事で、【これが出来たら飼い主が喜んでくれる】と認識させてあげる必要があるわけですね。
ただし、ご褒美としておやつを与える際はカロリーや塩分などの栄養価に注意しましょう。
特にしつけは子犬の時に行う事が多く、栄養過多によって身体に不調を招いてしまうリスクが高いです。
しつけ中におやつを与える場合は、低カロリーの商品を用意しましょう。
叱る時は【すぐ】と【しっかり】が大事
しつけとは少し離れますが、犬が問題を起こした時はその場でしっかりと叱るようにしましょう。
あとから気づいて叱っても犬は何が原因で怒られているのか理解できませんし、笑いながら軽く注意しても効果はありません。怒鳴るのはいけませんが、【飼い主が自分を叱っている】という認識は持たせてください。
家族でしつけの方法を統一させる
家族で犬を飼育している場合は、しつけの方法を統一させないと犬が混乱します。
例えば、「待て」を英語コマンドの「ストップ」と言ったり、自分が叱っているのに誰かが犬をなだめるなどです。犬が何をしているのか、犬自身が理解できないとしつけの意味がありません。
家族でしつけを行う際は必ず家族間でしつけの方法を統一させるようにしましょう。
犬にとってしつけは自分自身を守るもの
犬のしつけはしばしば「可哀そう」と批判されてしまう事がありますが、人間社会と同じく子供を教育する事と似ています。
人間の子供に行き過ぎた教育は破滅の元ですが、教育をしなければ良い大人には成長しませんよね。犬にしても同じ事で、正しいしつけをする事で周りに迷惑をかけない賢い名犬へと成長します。
犬のしつけは【しつけ】の範囲を見誤らない限り、犬自身を守るために必要なのです。正しい知識と愛情で、ぜひ犬を立派な名犬へと育ててあげてくださいね。