老猫の介護のしかた〜サインから介護方法まで解説〜

コラム

猫は高齢になると、人間と同様に今までできていた事ができなくなってしまいます。つまり、老猫になっても快適に過ごせるように、飼い主が介護をすることになりますが、具体的な介護方法が分からないと返って猫にとってストレスになることも…。

今回は猫の高齢期について、そして老猫になった時の介護方法について解説していきます。

老猫介護って猫が何歳になったら?

猫も動物である以上、寿命があります。当然、ずっと若いままではいられませんし、シニア期や高齢期も訪れます。飼い主としてはずっと若く元気でいて欲しいものですが、そうは言ってられませんし、適切なサポートのためにもシニア期に到達する年齢は覚えておかなければいけません。

では実際に、猫は何歳からお年寄りになるのでしょうか?

基本的には11歳からと言われている

老猫になる具体的な年齢として、環境省が発表している「猫と人間の年齢のめやす」が参考になります。多くの場合は11歳からを高齢期として分類するようです。

全体的なステージとしては
・生後6ヶ月までを子猫期
・生後7ヶ月〜2歳までを青少年期
・3〜6歳までを成猫期
・7〜10歳までを中年期
・11〜14歳までを高齢期
・15〜からを後期高齢期
と分類されています。

このデータからも分かるように、確かに高齢期自体は11歳からですが、シニア期と呼ばれる中年期は7歳からになります。そのため、11歳になるまで老化現象が発生しないわけではなく、7歳以降はいつ発生してもおかしくありません。

「自分のペットはまだ9歳だから…」などの先入観は絶対に持たないようにしましょう。

猫の寿命について

猫の平均寿命については、一般社団法人ペットフード協会が発表している「全国犬猫飼育実態調査結果」が参考になります。このデータによると2020年の猫全体の平均寿命は15.45歳だそうです。人間でいうところの76歳前後ですね。

調査結果によると、犬猫の平均寿命は年々少しずつ上がっているとのことで、飼い主にとっても喜ばしい情報です。

また、同データには「外に出る個体」と「外に出ない個体」の平均寿命も公表されていますが、これによると外に出る個体の平均寿命は13.57歳、外に出ない個体の平均寿命は16.13歳であるとのデータになります。

これは、あくまで飼育に限定されているため野良猫は分類されていなく、例え飼育されていても外に出る個体の方が平均寿命が低いということです。

外で飼育するとなると、感染症や熱中症などの猫の健康状態の変化や、交通事故などの危険性がありますし、何かあった時に飼い主がすぐに気づけない可能性も考えられます。遊ぶ時だけ外に出すなど、飼育環境には注意を払うようにしましょう。

老猫介護のサイン

猫の大体のシニア期や高齢期に入る年齢は分かりました。

次は、老猫になった時に現れるサインをご紹介していきます。口内環境や毛などの外面的なものから、運動量の低下などの行動面など、見逃してはならないサインは多々あります。

中には病気に繋がるサインもありますので、ぜひここで学んでいきましょう。なにかあった時は動物病院に行くのを忘れずに!

歯が黄ばんでいるなど口の中の状態が悪い

老化現象の主要なサインとして、口内状況が悪化することが挙げられます。歯が黄ばんている以外にも、口臭が臭くなった、歯石が付いているなども老化現象の1つです。

ただし、口内状況は普段からのケア次第で通常よりも早くサインが出たり、逆に遅らせることもできます。普段から歯磨きケアなどを忘れずに、口の中をキレイにしてあげましょう。

また、口内状況が悪いと、歯周病になる可能性もあります。もし口内に異常がある場合は動物病院に受診する事を忘れずに。

痩せてきた

シニア期に突入すると、筋肉が衰え痩せてきます。特に足の筋肉は猫科にとっても重要な部分なためもともと筋肉質であり、それ故に筋肉の衰えが見た目にも現れやすいでしょう。

ただし、このまま放置すると関節を痛めてしまったり、移動に支障を来たしてケガをさせてしまう場合があります。激しい運動はもちろんNGですが、散歩などの軽い運動はこまめにさせてあげましょう。その際は、万が一に備え、飼い主は必ず近くに待機していてください。

また、高齢期の猫が痩せる原因はもう一つ、病気の可能性があります。

例えば、食欲があるのに痩せてる場合は腎不全(じんふぜん)や甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)、 食欲がない場合はガンや口内炎の他、ウィルス性の疾患も考えられます。

どれも命に関わる重大な病気ですので、猫が最近痩せてきたと思ったらすぐに動物病院に受診してください。

毛がパサつくなど質が悪い

高齢期になると、加齢の影響で毛がパサついていたり、換毛期と呼ばれる抜け毛の季節以外で抜け毛が増えたりしていきます。その結果、体温調節が上手く行かずに寒がったりする事が増えるため、猫が寒そうにしていたら温めてあげましょうね。

そして、加齢の影響だけではなく、病気のサインである事もあります。例えば、一部分だけ肌が見えていたり、皮疹(ひしん)があったりすると危険信号です。特に皮疹は毛を掻き分けなければ見つかりづらいため、こまめに肌のチェックをして異常がないか確認しましょう。

爪が通常より明らかに長い

老猫になると爪とぎが面倒になり、その結果として爪が長くなりやすくなります。詳しくは次の見出しで解説しますが、ケガや事故に繋がる可能性がありますので、長くなったら飼い主が爪切りをすることも大切です。

動かずに寝てばかりいる

筋肉量の低下、関節の痛みなどの影響であまり自分から動く事がなくなります。飼い猫の場合は室内飼いや狩りをしないでも食事ができるなどで、慢性的な運動不足に陥っていることも大きな要因です。

このまま運動不足だと、関節可動域が狭くなって歩行できなくなったり、肥満状態になったりしてしまいます。実際、12歳以上のほとんどの猫が骨関節炎を患っているというデータもあります。

猫のストレス解消のためにも、日頃から運動させるすることが大切です。また、歩行に違和感がある場合は動物病院へ。

すぐ怒ったり夜鳴きをする

感情的になったり、夜鳴きをする場合は認知症の可能性があります。もし認知症の場合、すぐに改善する事が難しい上、完治することはほぼ不可能なため、治すではなく向き合う事が大切です。

最も警戒すべきは先程も触れた甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)。実は亢進症の症状には、この「怒りっぽくなる、夜鳴きするようになる」が含まれているのです。

認知症であっても亢進症であっても、まずは獣医師に相談する事が第一です。

老猫介護の方法

ここからは具体的な介護方法について解説していきます。猫は基本的に気まぐれな生き物ですが、飼い主まで気まぐれになってはいけません。

特に、ブラッシングや爪とぎは綺麗好きな猫にとっては自分で行えない分、飼い主がこまめにやらないとストレスになります。他にも、重要な介護方法はたくさんあります。

猫の快適な老後の生活のためにも、飼い主による手厚いサポート力を身に着けましょう。

ブラッシングや爪切りはこまめに

老猫は身体が柔軟性がなくなってしまい、思うように身体を曲げられないため肛門や後ろ足部分などの毛づくろいが出来なくなります。

そのため、こういった部分には飼い主がブラッシングすることになります。この時、無理に力を加える必要はありません。寧ろ、若いときと違って毛が抜けやすくなっているため、優しめにブラッシングする方が良いです。

猫は老いてくると爪とぎを怠ってしまい、爪が長くなりがち。それに加えて、老猫は靭帯の張力がないため爪がずっと出っぱなしになっているため、そのままにしておくと身体をかく度に傷だらけになってしまいます。爪切りはこまめに行いましょう。

食器は少し高めの位置に

足腰が弱くなってしまっている老猫にとって、床に置いたご飯皿ほど食べづらいものはありません。ご飯皿は、台などを活用して猫の顎の位置になるように置きます。

また、もし猫の多頭飼いをしている場合は、なるべく若い猫から離しながら食事をさせましょう。特に同じ皿で食事させるのはNG、若い猫にご飯を取られてしまいます。

また、ご飯は細かく砕かれたキャットフードなど、老猫でも食べやすいものにするのも忘れずに。

トイレは猫の身近に置く

トイレは寝床の近くに、あまり歩かせる場所にあると足腰の弱い猫にはストレスです。最悪の場合、粗相してしまうかもしれません。

また、認知症などの影響でトイレの位置を把握できていない場合は、複数設置したりするなどして対処を。あまりに粗相が多い場合はペット用のおむつも検討してください。

猫にとって安心できるベッド環境

体温調節が上手くできない老猫にとって、ベッド環境は死活問題です。夏は風通しの良い所に、冬は毛布を掛けてあげるなどの配慮が大切です。

また、なるべくなら高い所にベッドを配置しない方が良いのですが、当の猫が高い所が好きな場合は、階段を設置して登り易いようにしつつ、万が一落ちた場合にクッションを敷いておきましょう。

猫のマッサージをする

高齢期に入った猫はあまり動こうとしません。もちろん、飼い主が猫じゃらしやおやつで誘導させてあげて運動させるのが一番ですが、それでも効果がない場合はマッサージをおすすめします。

例えば膝をゆっくり曲げたり伸ばしたりするだけでも運動効果がありますし、揉むと筋肉を刺激できます。ここで注意したいのが、猫が嫌がるところを刺激しないこと。優しくゆっくり、猫が気持ちよさそうにしている箇所を見つけながら行います。

老猫でも介護次第で明るく過ごせる

老猫は寝てばっかりのイメージがありますし、事実老猫にとって睡眠は貴重なリラックスタイムです。

せっかくですしそのままゆっくりしている姿をみて癒されたいところですが、そのまま寝っぱなしだと様々な病気やケガのリスクに繋がってしまい、せっかくの老後の生活がストレスだらけになっちゃいます。

運動、お手入れ、食事など飼い主がしっかり介護して、幸せな老後生活をアシストしましょう!