猫が死ぬ直前に見せる兆候と飼い主ができることについて

猫が死ぬ前に見せる兆候 コラム

猫も人間も、この世に生きている生物はみんな死に向かいながら暮らしています。可愛がっていた猫にもお別れを告げなくてはいけない時は必ずやってきますが、それでも日々の愛情を注がれた猫はきっと貴方への感謝と共に天国でも幸せに過ごしてくれるでしょう。

 

今回は猫が死ぬ直前に見せる兆候や飼い主様がその時できる事についてお話していきます。中にはセンシティブな内容や、辛い気持ちにさせてしまうような内容も含まれてはいますがいずれも大切なものです。どうか最後まで見ていってください。

 

1猫の死亡理由で一番多いものは?

本題に入る前に、少々センシティブな内容ではありますが猫の死亡理由や平均寿命についてお話していきたいと思います。老衰なのか病気なのかによっても今後の対応は変わっていくでしょうし、飼い主様にもぜひ知っておいて欲しい内容でもあります。

 

では早速解説していきます。

1.1最も多いのは腎臓病による病死

死亡率というのはデータをまとめたサイトや病院によって変わってきますが、どの情報でもやはり猫の死亡理由で一番多いのは慢性腎臓病(腎不全)でした。この病気は特に高齢期に発症しやすく、また初期症状は多飲多尿程度なため早期発見しずらい厄介なもの。食欲不振やぐったりしてきた時には重症化しているケースが多く、完治しない病気なのも死亡率の高さの一因となっています。

 

いわば不治の病とも言える腎臓病ではありますが、一方で適切な看病と食事の摂取を心がけることで、生活の質をある程度維持したまま寿命を延ばすことも可能です。腎臓病を治すことはできなくとも、残った腎臓を大切にすることで長生きしてもらう訳ですね。病気にならない事が最善ではありますが、もし腎臓病だと判明しても慌てずに、しっかりと獣医師と相談しながらケアしていきましょう。

1.2猫の平均寿命の推移について

近年になって、猫の平均寿命が徐々に延びてきているのはご存じですか?厚生労働省の調査によりますと、2008年では猫の平均寿命が13.7歳だったのに対して2017年には14.2歳と0.5歳…人間に換算するとおよそ3年分ほど寿命が延びたと報告されています。医療技術の進歩や以前と比較して室内飼いが多くなったことが大きな要因とのことです。

 

一方で死亡理由も変わっており、交通事故などの外傷で亡くなることこそ減ったものの、代わりに高齢期に突入した後の病気による病死が増えてきています。今後は更なる医療技術の発展や室内飼い特有の運動不足による健康被害への対策が課題となりそうですね。

2猫が死ぬ前に見せる兆候

猫が死ぬ前に見せる兆候

ここからはいよいよ猫が死ぬ直前に見せる兆候について解説していきますが、その前に知っておいてほしいことが1つだけあります。これからお話する内容はあくまで多くの猫にこういった兆候があるというものであり、必ずしもこの記事を読んでくださっている方々の飼い猫にも当てはまる訳ではありません。

 

もしこれらの兆候がなくとも、普段と違った様子を見せているようなら必ず動物病院にて診察するようにしてください。最も信頼できるのは長年付き添った飼い主様の視点です。この情報はあくまで参考として覚えておいてください。

 

それでは見ていきましょう。

2.1食欲の低下

単純に体調が悪いから、胃の調子が優れないからなど理由は様々ですが、死ぬ前の兆候として一番分かりやすいのがこの食欲の低下です。また、猫は嗅覚が優れている上に偏食家なため、嗅覚が弱まった事で大好きなご飯を判別できなくなったことが原因ともいわれています。

 

また今まで固形食だった場合は顎の筋肉や歯が弱くなったことで食べれなくなった可能性もあります。その場合は流動食なら少しだけ食べたとの報告もありますが、いよいよ死が近づいてくると水すら飲まなくなるとのことです。

2.2体温の異常

これは人間でも当てはまることですが、生き物は死に近づくにつれて体温が徐々に低下します。猫の平均体温はおよそ38℃〜39℃、これより極端に体温が低くなると危ない状態です。

 

これは熱の理由であるエネルギーが極端に消費されなくなるためであり、いわばゆっくりと身体が死に向けて準備している段階に入っているのです。ただし、感染症や病気の影響で炎症を起こしている場合は逆に体温が基準より上昇します。

2.3毛並みの状態が悪くなる

死ぬ直前の猫は下記の2つの理由から毛並みの状態が悪くなります。

 

理由1、被毛のキューティクルを維持するための栄養が行き届いていないため

理由2、身体が汚れていても毛づくろいをする元気がないため

 

本来猫は綺麗好きな動物として有名ですが、そんな猫が汚れに無頓着になるということは、それだけ活力が尽きかけているということです。また同様の理由から抜け毛が異常に多くなったとの報告も見受けられます。

 

それ以外でも、単純に体調が優れない場合も毛づくろいをしなくなります。もしまだ動物病院に行かれていないのなら、診察をおすすめします。たとえ危険な病気でなくとも、なんらかの疾患がある可能性が高いです。

2.4心拍数などのバイタルサインの異常

猫の正常な心拍数は1分間におよそ120〜150程度ですが、死に直面している猫は身体の機能の異常によってこの心拍数が極端に増減します。たとえば痛みを伴う病気や怪我の場合はアドレナリンの影響で心拍数が上がりますし、逆に衰弱などで身体の機能が衰えているなら心拍数は下がっていきます。

 

正常な心拍数は平均こそあれどある程度個体差があるため、普段の心拍数を事前に測っておくとより異常に気づきやすくなります。猫の心拍数は下記の手順で飼い主様でも測る事ができますので、もし何か異変があるなら猫が驚かないタイミングで心拍数を測ってみましょう。

 

1.猫の身体を優しく抱え、人差し指と中指で内股の太腿動脈(だいたいどうみゃく)を見つけます。

2.探していると拍動を感じる箇所があり、その拍動の数を1分間計測する。

2.5下痢や粗相をする

普段大人しい猫が下痢や粗相を頻繁にすると苦しそうな状態だと思ってしまいがちですが、死に直面した状態ならば極めて自然な現象です。というのも、これは肛門や泌尿器系の力が弱まることで無意識的に流れてしまっているのです。また、同様の理由から胃のコントロールができずに嘔吐する場合もあります。

3猫のために飼い主ができること

猫が危険な状態にある時、飼い主様にできることは見守るだけではありません。人間の言葉を話せない猫の代わりに、気持ちを汲んで獣医師とお話することは沢山あります。中にはセンシティブなものもありますが、猫の最期を決める決断をするのに大切な内容です。

3.1最後までお世話をする

当たり前だと言われるかもしれませんが、最も大切なことでもあります。後述しますが、死に向かう猫のために出来ることは想像以上に多く、そのどれもが辛い選択を強いるものです。しかし、どのような結末であれ最後までそばにいる事が猫にとって一番幸せなことであり、また飼い主様にとっても最良なはずです。

 

特に生き物というのは死ぬ直前まで聴覚だけは残っていると言われています。どうか最後まで大切な猫の名前を呼んだり、安心するように優しい言葉を掛けてあげてください。きっと猫にもその想いは伝わるはずです。

3.2延命か安楽死か

センシティブな話題とはなりますが、同時に避けられない選択でもあるのがこの延命と安楽死の2択です。これに関しては本当に様々な意見があると思います。ただ、本来であればこの2択は人間のエゴであり、自然の摂理から外れています。だからこそ、猫にとって一番幸せなのはどちらなのかを飼い主様自身で選ぶ必要があるのです。

 

延命の場合、近年の優れた医療技術であればある程度猫に負担をかけずに症状を軽くする事もできるかもしれません。しかしそれでも完璧ではありませんし、弱っている猫にこれ以上辛い思いをさせたくないと思う方も多いでしょう。

 

安楽死の場合、猫はこれ以上辛い思いをすることなく天国へと旅立てるでしょう。しかし、それは飼い主様自身で猫に終わりを与える事と同義です。かかる費用も決して安くはないでしょうし、なにより一生拭えない罪悪感を抱えてしまう恐れもあります。

 

どちらを選ぶにせよ、絶対に正しいと断言できるものではありません。大切なのは周りの意見に左右されず、一番猫の事を愛した飼い主様自身で選ぶ事です。

3.3看取り場所を選ぶ

近年は猫も含めてペットは家族との認識が強まった影響で、看取り場所も自宅か病院かで悩む方が増えています。

 

自宅やお気に入りの場所は確かに猫にとって馴染みのある場所でもありますし、思い出の中で旅立てるのであれば飼い主様としても安心できるでしょう。しかし、病院であれば設備が整っているため、最後まで獣医師も尽力してくれますし、その後の行動もスムーズに行えます。

 

ご家族の意思や飼い主様のご意向もあるでしょうし、簡単には選べないとは思います。延命措置や安楽死の有無、猫の体調や精神状態なども含めて、獣医師とよく話し合って決めましょう。

4後悔のない選択肢はできないとしても…

後悔のない選択

冒頭でもお話したように、猫の寿命は年々延びています。しかしそれでも人間の一生に比べればとても短いものですし、必ずしも平均寿命程度まで生きられる保証はありません。高齢の方でない限り、たとえ猫が赤子の頃から育てたとしてもお別れを見届ける側になる場合がほとんどでしょう。

 

後悔の無いように…と口にするのは簡単ですが、実際には絶対悔いは残るものです。それでも、少しでも猫が幸せに旅立てる様にしっかりとお世話することが飼い主様の義務です。せめて猫が笑って天国にいけるように、そして飼い主様自身の後悔が少しでも減るようにこれからの時間を大切にしていってくださいませ。