ペットセーバーとは?講習会を実際に受講した方のインタビュー付きで解説します

コラム

飼い主様にとって、ペットとはどのようなものでしょうか?大切な友人、愛する家族、頼れる相棒、形は異なれど等しく大切な存在であることは変わりないでしょう。もしそんな大切なペットを自分自身の手で守り抜かなければいけない状況の時、飼い主様は冷静に正しい知識で守れるでしょうか?

今回は、いざという時のために受講しておきたい「ペットセーバー」について、実際に受講された方へのインタビューを交えて解説していきます。

ペットセーバーとは?

そもそもペットセーバーとはなんなのかご存知ですか?しつけインストラクターの方や動物病院の方ならご存知かもしれませんが、それでもあまり日本ではメジャーなものとは言えないでしょう。そこでまずは、そもそもペットセーバーとは?について解説していきます。

ペットセーバーはペットの命を繋ぐ国際認定資格

ペットセーバーとはペットの命を守る知識が得られる資格のことです。もとはアメリカで発足し、日本においては一般社団法人の日本国際動物救命救急協会(主催)と、同じく一般社団法人の日本防災教育訓練センター(共催)が国際資格と認定されています。

日本で初めてインストラクターの資格を取得したのは先程の協会と訓練センター双方の理事を務めているサニーカミヤ氏。アメリカの動物に対する高い救命意識や豊富な知識を日本でも広めたいと思い、2015年にアメリカ最大規模の動物救急指導団体であるPet Tech社でこの資格を取得し、日本でペットセーバーの存在を広めるべく活動されています。

現在では初心者に受けてもらうペットセーバーベイシック&アドヴァンス講習は日本各地で4万8千名ほど、月間1,000名の人が受講しています。

資格は日常生活時と緊急災害時の2種類が存在する

ペットセーバーの資格はインストラクターの資格を除けば2種類存在します。1つは日常生活における緊急時の救命活動を行える知識と技術があると認めるペットセーバー救急法ベイシック&アドヴァンス講習修了者認定証、もう1つが自然災害時における自分を守りペットを救助できる知識と技術があると認めるペットセーバーERT講習修了者認定証です。

ERTとはEmergency Rescue Technicianの略称で、緊急救助技術者という意味ですね。受講には順番があり、初心者は初めにベイシック&アドヴァンス講習を受講し、修了した人のみERT講習を受講できます。

当然これらは国際認定されている民間資格なので、履歴書や名刺にも記載できます。その場合はベイシック&アドヴァンス講習のみを修了したのであればペットセーバー(ペットの救急隊員)、ベイシック&アドヴァンス講習及びERT講習の双方を修了したのであれば
ペットセーバー(ペットの救急救助隊員)と記載することになります。

受講条件は満12歳以上だけ

国際認定されている資格と聞くと、「受講できる人も限られているのでは?」と不安になる人もいるかと思います。ですが、もとは大切なペットを守るための資格なため受講条件は満12歳以上だけと非常に緩いものとなっています。受講している人は様々で、飼い主様だったり獣医師などのペット関連のお仕事をされている人であったり、自衛官や機動隊、消防隊の人も受講されているそうです。

当然そのキッカケも色々あります。ペットのため、警察犬や災害救助犬との活動のためといった人もいれば、悲しいことですが事故でペットを亡くした人がペットを新しく飼う前にペット救助ができるようにという人もいます。

大切なのはペットを守るという意思です。難しく考えないで、とりあえず受けてみるのも良いかもしれませんね。

プログラムの内容や費用

ペットセーバーについて解説したところで、次は資格を取得できる2種のコースについて解説していきます。資格というだけあって、ちゃんと受講しなければ取得できませんが具体的な受講内容を把握しておけばその内容も知識としてすんなりと理解できます。また、「難しいのではないか」と尻込みしてしまうこともないでしょう。

また、費用や試験の有無などについてもご説明していきます。

ペットセーバーベイシック&アドヴァンス講習について

ベイシック&アドヴァンス講習はペットセーバーを初めて受講する方が受けるコースです。この講習では「日常生活でのペットの心肺停止等の危険な状況時での救命方法」と「止血や骨折時などのペットがケガをした時の対処法」、「犬に噛まれた時の対処法」を学ぶことになります。

具体的にはペットの正しい観察方法や、人工呼吸やCPR(心肺蘇生法)などの一次救命処置の他、ペットがケガをした場合の止血法や包帯の使い方、そもそもケガをさせないための予防の仕方や防災についてなどの内容について受講します。

修了者にはベイシック&アドヴァンス講習修了者認定証が授与され、ペットセーバー(ペットの救急隊員)を名乗ることができます。

ペットセーバーERT講習について

ERT(Emergency Rescue Technician)講習はベイシック&アドヴァンス講習を修了した人のみが受講できるコースです。ただし、ベイシック&アドヴァンス講習とERT講習は同時に受講することができます。この講習では「水害や地震、噴火などの自然災害時に自分自身とペットの命を守る方法」について学ぶことになります。

具体的には自然災害時及び火災、交通事故時の救助方法や、逸走したペットに対するケージやネットを使用した捕獲法、逸走した動物に対するロープを使用した捕獲法、自然災害事前準備対策などの内容について受講します。ちなみに、逸走とは本来の道筋に反する道に走っていくことです。

修了者にはERT講習修了者認定証が授与され、ペットセーバー(ペットの救急救助隊員)を名乗ることができます。

費用や試験の有無、所要時間について

費用に関してですが、料金は両コースともに8,250円(税込)です。さらに再受講の際には2,200円(税込)かかります。この料金の一部はペットのために活動している団体へ寄付されているとのこと。

試験の有無ですが、こちらは両コースともに試験は存在せず、講習の全行程を受講することで修了します。所要時間もベイシック&アドヴァンス講習は2時間30分、ERT講習は2時間ほどで修了するので、比較的お時間が確保しやすいのも特徴です。

実際に受講してきた方へのインタビュー

ここまでペットセーバーについて色々解説してきましたが、やはり実際に受講してきた人の意見や感想があればより安心して受講に望めるのではないかと思います。そこで今回は、実際に受講してきた方にインタビューして、感想や良かった点、苦労した点などを色々お聞きしてきました。現地でしか味わえない雰囲気というものもありますが、このインタビュー内容を通じて、少しでもご興味をお持ちいただけたら幸いです。

「うちの仔」代表の矢吹光弘氏

今回インタビューさせていただいたのは福島県で唯一の動物専門月刊情報誌メディア「うちの仔」代表の矢吹光弘氏です。うちの仔ではペットだけでなく、動物全体との関わりや暮らしについての情報を発信しており、全年齢層をターゲットに紙面&SNS&HPと幅広い媒体で活動されています。

弊社でも広告掲載という形でお世話になっており、今回はペットセーバーを受講されたとのことで、心良くインタビューに応じてくれました。

ペットセーバーを受講しようと思ったキッカケ

「台風や洪水、地震など、災害が多くなってきている中で、ペットを飼っている方はペットを連れて避難所に入ることができないお話や、避難所に行くと拒まれると思うので、ペットと家にいることを選択されている方の話を聞いたりしていました。

また、容態の悪いペットに対して、動物病院に連れていく以外には、応急処置の仕方などの知識がありませんでした。
そんな中、ペットを守る知識が得られる、ペットセーバーを郡山で受講でき、資格も取得できるという情報を得たので、参加してみることにしました」

受講してどんなことを思ったのか

心肺蘇生法の仕方が人間と違い、体を横にして押したり、口に息を吹きいれるのではなく鼻にするのが(マウストゥノウズ)が勉強になりました。
また、ペットが容態が悪いのを気付いた時に、ただ焦るのでななく、応急処置や、行うべき行動の優先順位を学べて勉強になりました」

受講して良かった点や苦労した点

「災害が来た時や、ペットの容態が悪くなった時にどうずればいいか。準備する上での知識や心構えを得ることができました。
また、いざという時使える、ロープの結び方を学びましたが、最初はなかなかうまくいきませんでした。すぐに行えるように定期的に練習していきたいですね」

今後どのように役立てたいか

「自分とペットに役立てるのは当然ですが、周りで困っている状況の方がいたら、応急処置としてこんな方法があるよと伝えたり、普段の会話の中でも、焦らないで行動する大切さをお話したりしていきたいですね」

ペットの命を守るためにできることを学ぶ

私達人間にも同じ事が言えますが、ペットに命の危機が迫った時、必ずしも病院に連れていけるとも限りませんし、それが災害時なら尚更です。もし命の危機に迫った人やペットが目の前に居た時、最もしてはいけないのは冷静さを失って混乱したり、どうすれば良いのか分からずにただ戸惑っているだけでなにも出来ないことです。

一次救命処置を施し、医療機関に搬送または連絡が出来るだけでも救命の可能性は2倍以上もの差がでます。もしペットが危機に迫った時、その場に頼れるのが飼い主様しか居なかったら…ペットセーバーの資格や知識はそんな時のためにあります。ぜひ受講して、ペットのために出来ることを増やしていきましょう。